ハワイの夫婦「おひさまファームズ」徒然日記 Vol. 17

アロハ!ハワイの夫婦「おひさまファームズ」代表のヒデキこと山根英樹です。前半は私の記事、後半は妻ユキの記事になります。

 

ハワイのお土産ショップやコンビニエンスストアに行くと、木彫りの置物や、ジュース、チョコレートやスナックなどたくさんのものが売られています。しかし悲しいことに、その多くが海外あるいはハワイ以外で製造されて輸入された商品です。

 

 

それらはハワイを標榜しており、顧客はハワイで製造されたものであると錯覚してしまいます。私はハワイ州政府で経済開発専門官として働いていた時に、真のハワイ産との差別化が必要であると思い、Made in Hawaii with Alohaというハワイ産認証プログラムを立ち上げました。これは農産物だけにとどまらず、ウクレレ、アロハシャツなど多岐にわたる州内の業者を守るためです。

 

Made in Hawaii with Alohaのロゴ

認証を獲得する条件としては卸値構成値の51%以上がハワイ州内で構成されていなければなりません。それには例えば人件費、デザイン料、製造費、梱包費、マーケティング費、配送費などが含まれます。例えば卸値1本10ドルで販売されている蜂蜜があるとします。その内の5ドル10セント以上がハワイ州内でかかった経費であればハワイ産として認証されます。

 

 

認証された会社はMade in Hawaii with Alohaのステッカーが提供され、展示会や店舗で掲示することが許されます。またそのロゴを製品や製品パッケージに印刷することが許可され、マーケティングに活用することができます。

 

これは価格構成値から判断する産地認証プログラムですが、他にHawaii Seal of Qualityという農産物に特化した認証プログラムもあります。こちらは生鮮食品の場合は100%州内で生産されている必要があり、加工食品は主原料がハワイ州内で生産されている必要があり、前者よりもより厳格なプログラムです。前者同様にその認証シールを商品に印刷したりすることも可能です。さらに認証マークのついたエプロン、テーブルクロス、ペン、POPなどの販促物も提供されます。

 

Hawaii Seal of Qualityのロゴ

日本にも地理的表示(GI)保護制度があり、加賀野菜ですとか地域ブランディングが行われていますが、それに近いものがあると思います。

 

また現在ハワイ産のコーヒー豆を10%以上(残りは海外から輸入されたコーヒー)使用していればハワイコーヒーと唱えますが、現在この比率を51%以上でないとハワイコーヒーと言えない法案が議会に提出され、州知事の署名を受けて2027年7月より施行される予定です。

 

 

今後もこのように生産コストの高いハワイで頑張る農家や企業を政府が守る活動がますます必要になるかと思います。

 

次号に続きます……ここからは妻ユキの記事をお楽しみ下さい。

 

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夫ヒデキに引き続き、おひさまファームズのユキです。前回の記事(vol.16)で我が家の料理事情や現在形エンジェルフーズたるものについて少し触れましたが、今回は最近の創作菜食の写真を初夏らしいフランス料理風コース仕立て(?)にして並べてみようと思います。ほとんどの料理にヒデキが菜園で育てた野菜が入っていますが、このところ小さいながらも人参が豊作で、大量に採れる栄養たっぷりの葉の部分をいかに頂くかにやや苦戦しました。

ということで今回は、おひさまファームズは芸術畑の創作菜食編、「ビストロユキ」を以下にお届けいたします。全てヴィーガン、精製糖フリー、グルテンフリー、オイルフリー、低糖質気味、ローフード配合気味、といった感じです。

 

ではまずは、前菜としてのオードブルはカナッペ。シソにオーブンで焼いたフラックスシード蓮根、生のハラペーニョを重ね、人参の葉、コリアンダー、レモン、アーモンド入りの地中海風ペーストを乗せて。

 

 

お次はスープ。スパイラライザーでカットしたローズッキーニ麺に豆乳の冷製味噌ポタージュをあわせ、同じスープで火を通したニラをトッピング。過去記事(vol.6)内、豆乳麺の冷汁風アレンジです。菜園の雑草ニラはまだまだ健在で、今も大活躍中!

 

 

そしてメインディッシュ的レギュメは、白胡麻入りレザーラップ2種。写真では海苔のように見えますが、ブレンダーとディハイドレーターで作った野菜と果物のシートです。一つはベイビーほうれん草とスモーク風味の味噌ナッツパテ、もう一方は人参の葉入りフムスを包んで。

 

 

こちらはお口直しのグラニテ代わり、レンズ豆とバスマティライスの小さなコンジー(粥)。上述のニラ同様、我が家の菜園で雑草化しつつあるグリーンオニオン添え。

 

 

お次は第2メインのレギュメ。食べる前に写真を撮り忘れたので食べかけですが、コーン100%オープントルティーヤ。シソの帽子をかぶった赤キャベツのザワークラウト、人参と大根の酢漬けに、写真では見えませんがパセリのカシューソースを和えた黒豆、椎茸、ひじき、人参の葉のパティが最下部に鎮座しています。

 

 

そして最後はデセール。ブレンダーで作ったバナナベースの抹茶「ナイス」クリーム。刻んだダークチョコをたっぷりトッピングして。

 

 

トルティーヤの写真では野菜に隠れて見えないパティですが、こちらは焼く前の形成段階の写真です。暗色の食材でまとめ、タンパク質と鉄分補給ができる香ばしいパティとして、多めに作っておきました。まだたくさんあるので、次は蕎麦の実パンを焼いてサンドイッチにしようかと画策中。

 

 

便利に使えるシソは、一部を室内で育てています。みんな毎朝元気ですが、太陽が沈むとシソもしぼんで眠ります。

 

 

今回の料理はほとんどが、ホールフード的に一から作った料理の残り物の組み合わせです。例えば、ズッキーニ麺はサラダとして食べた残り、バナナは食べきれないまま熟した分を冷凍しておいたもの、酢の物やザワークラウト、フムス等のパテ類は作り置きの常備菜。また、パティや蓮根もそのものをシンプルに食べた後、多めに作った分が新たな可能性へと回る感じです。下の写真は、自家製ヴィーガンマヨにマスタードを合わせたディップで頂いた分の、フラックスシード蓮根。

 

 

菜食はその種類もさらに多様化しつつありますが、個々が都度それぞれに重んじる哲学世界の中で、自由な素材の組み合わせや切り方、試行錯誤を重ねたソースなどで全く違う美味しさに出会えるのも調理に心躍る理由だと昔から思っています。私の創作料理に関しては、常に直感ありきで分量なども適当ですが、過去に出会った様々な国の文化や思い出に触れながら出来上がっていく場合も多く、個人的には色々と感慨深い部分もあります。

そもそも食事や料理は、人間が「自然=生態系」に直結するサイクル上にあり、それはDNA内の記憶ごと循環させる大切な作業の一つでもあるのでしょう。それでは今回は、おひさまファームズは芸術畑に現れる幻の創作菜食店、「ビストロユキ」からお届けしました。それでは、アビアント!

 


写真・文/おひさまファームズ

ヒデキ

サンフランシスコ生まれ。東京育ち。ホノルル在住。広告代理店、旅行代理店、豪州クィーンズランド州政府、ハワイ州政府農務省、イギリスの経営大学院、ハワイの大手銀行勤務を経て独立。コンサルティング、不動産、米国農務省統計局の調査員の仕事の傍ら農業に従事。著書に「小さな会社でもできる海外取引」「グローバル職人になろう!」「漂流アロハ」などがある。

ユキ

絵と音楽と物語の創作家、宇宙の神秘を読む夢想家。米国の大学を卒業後、神授的な創作の仕事に長く携わる。芸術分野の他、神秘哲学、占星術、数秘術、各種卜術、古代史、神話学、宗教学、図像学、色彩学などに明るく、食や代替療法も探究。タロットチャンネル「雪猫座 Hawaii」をYouTubeにて開始中。

HP: www.ohisamafarms.com

 

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