ハワイの夫婦「おひさまファームズ」徒然日記 Vol. 8

 

アロハ!ハワイの夫婦「おひさまファームズ」代表のヒデキこと山根英樹です。前半は私の記事、後半は妻ユキの記事になります。今回は大規模火災が発生したマウイ島についてお伝えしたいと思います。

 

マウイ島というのは私たちの住む州都ホノルルのあるオアフ島からは距離で100キロメートルくらい、飛行機で40分くらいのハワイでハワイ島に続き2番目に大きな島です。サムネイルの写真は筆者が2017年2月に飛行機から撮影したラハイナの南にあるキヘイ郊外の街並みです。乾季とはいえ、山麓が緑に覆われているのが分かると思います(Google Mapで2023年現在と比べてみてください)。マウイ島はその昔、緑豊かな島でした。

 

1840年代にマウイ島で初めてサトウキビの商業栽培が始まり、当時繁栄しつつあったアメリカ西海岸に砂糖を輸出するために、他のハワイの島々でもサトウキビ栽培と製糖業が栄えました。それに呼応し労働力を必要としたハワイのサトウキビ産業は、日本やフィリピンなどから移民を受け入れ始めました。サトウキビ栽培が盛んだったマウイ島は一時、島民の40%が日系人でした。

 

(広大なさとうきび畑。2017年筆者撮影)

 

しかしマウイ島をはじめてとするハワイ州の製糖業はフィリピンやブラジルなど世界との価格競争に負けて衰退しました。そしてハワイで唯一残っていたマウイ島のHC&S (Hawaii Commercial & Sugar Company)も2016年に操業を終え、サトウキビ栽培145年の歴史に幕を下ろしました。私は当時ハワイ州政府農務省のスタッフとして閉鎖後のHC&S社の活気が失せた事務所を訪れましたが歴史の大きな節目を感じました。

 

(こちらはラハイナの南の山麓にある風力発電所です。2017年筆者撮影)

 

反面、マウイ島で活気が出始めたのは住宅開発です。マウイ島というのは、昔のハワイのメローな雰囲気が残っていてアメリカ本土やカナダからの観光客に大人気の島です。毎日それらの都市からの飛行機が多く離発着しています。そういう人たちがマウイに憧れ、別荘や投資物件を買い求めていました。そのような住民は「かつてのハワイ」に憧れて移住したはずなのに「本土の快適さや暮らし」を望みます。余所者のはずなのに「本土ではこうなので、こうするべきだ」と上から目線で地元に訴える傾向もあります。

 

地元の人は「Haole(概ねは余所から来た人の意味で使われるハワイ語)が」と呆れますが建築工事などで生活の糧になる仕事が与えられるので仕方がなく、彼ら彼女らの要望に応じて建設をします。その結果、まるでここはアメリカ西海岸の住宅地か?と思われるような住宅が多く開発されました。庭には豪華なプールやジャクジーが備え付けられ、室内はエアコンが完備(かつては自然の風で十分でした)されます。

 

それらの新住民は本土からリタイアしてやって来たり、本土レベルの賃金でマウイ島に住んだりするので潤沢なお金で湯水のように電力や水を浪費します。私は今回の原因の一つはそのような浪費からの電力負荷や水不足も起因しているのではないかと個人的に思っています。

 

(マウイ農業祭り。2017年筆者撮影)

 

マウイの農地は奪われ、農業後継者不足と相まってかつては緑に覆われていた島が、今回の周辺空撮映像を見て、茶色くなっていたのにショックを隠しきれませんでした。ハワイというのは自然と調和すべき島であり乱開発には断固反対です……。

 

次号に続きます……、ここからは妻ユキの記事をお楽しみ下さい。

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夫ヒデキに引き続き、おひさまファームズのユキです。ここからのお話は物事の真偽についてではなく、縁あってハワイに暮らす夢想家の私が受け取っている、ある種の伝言のような抒情であり大切な風景です。

 

アロハスピリットを守り続けたハワイの土地と人々を、私は心から尊敬しています。そしてそんなスピリットに触れる時、嬉しさや感動に加え、ある種の切なさで胸が締め付けられるような感覚にもなります。なぜならそのスピリットこそは、日本が外気に飲み込まれて遠い昔に封じてしまった、大切な核だと本能が伝えるからです。

 

環太平洋の原住民として、なぜモンゴロイドが広がっているのか。それを紐解くだけでも、原住民と呼ばれる人々と「原始日本」の関係に気が付くと思います。彼らは自然を自分たちの祖先や神々として敬い、地球を破壊して進む文明の外側で、生きることでこの地球を守ってきた人々です。彼らは原始のスピリットを明け渡さず、眠ることを拒否し続けたがために少数派にされました。他方で日本に残る彼らの仲間の多くは、眠ることを選んだがためにその利用価値が見込まれ、数は残りました。それぞれに長く多様な変化を経て今があるわけですが、原住民はプエブロのホピなどに代表されるように部族の運命を知っている傾向があります。そして、終わりの時が近い可能性も。

 

そんな原始の仲間たちが囲む海の真ん中に浮かぶハワイは、意図して作られた弱みにも関連して、現在の政治腐敗が顕著であることは有名です。だからこそ特には原住民の人々が守るべき部分を全力で守り続け、犠牲を都度最小限に留めながら何とか今に至っているようなところがあります。しかし今回の悲劇はそんな積年の努力を嘲笑うかのような残酷なものであり、地球や古いシステムにその罪をなすりつける暴挙であり、そして援助に見せかけた略奪であることを既に多くの人々が知っています。しかしそれでも相手は、あからさまに不自然で欺瞞に満ちた演技を続け、力ずくで真実を封じ、民衆の善意と正義の全てを無視して先を急ぎます。

 

そして今回の件でも明らかになっていますが、こういった事変が起こる時、要部分に日本が関わっていることが多くあります。しかしそれはつまり、やり方次第で結果を、未来を、最終的には日本がひっくり返すこともできるということです。今、太平洋の臍から、アロハスピリットたちが重すぎる蓋をこじ開け、これまでもこれからも決して光の当てられない真実を必死で伝えています。これは人類の未来を明るい方向へ変える希望に繋がっていますが、同時に世界への、そして特には日本への警鐘であるはずです。それはなぜなら、「アニミズム」は地球の真実だからです。人為的な世界規模での環境関連の詐術によって、自然という神々ごと追い払われつつある仲間たち、世界に散らばる原住民たちは、太古の昔から日本の仲間が目覚める時を信じています。

 

 

 


写真・文/おひさまファームズ

ヒデキ

サンフランシスコ生まれ。東京育ち。ホノルル在住。広告代理店、旅行代理店、豪州クィーンズランド州政府、ハワイ州政府農務省、イギリスの経営大学院、ハワイの大手銀行勤務を経て独立。コンサルティング、不動産、米国農務省統計局の調査員の仕事の傍ら農業に従事。著書に「小さな会社でもできる海外取引」「グローバル職人になろう!」「漂流アロハ」などがある。

ユキ

絵と音楽と物語の創作家、宇宙の神秘を読む夢想家。米国の大学を卒業後、神授的な創作の仕事に長く携わる。芸術分野の他、神秘哲学、占星術、数秘術、各種卜術、古代史、神話学、宗教学、図像学、色彩学などに明るく、食や代替療法も探究。タロットチャンネル「雪猫座 Hawaii」をYouTubeにて開始中。

HP: www.ohisamafarms.com

Instagram: @ohisama_farms

YouTube: @ohisamafarms

 

 

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