小倉マコのヘルスコンシャスライフ Vol.4

第4回 ぎょっ!キノコのお茶?
カナダのヴィーガンたちに人気のチャーガティーに挑戦

先日、お友達のヴィーガンシェフ・石井キャロライン さん(veggy Booksでおなじみ『カナダを旅するヴィーガンレシピ』の著者さんです )から「飲んでみて!」と薦められたキノコのお茶。私たちの住んでいるカナダのオンタリオ州で採れたキノコを数時間かけて煮た、「チャーガ」と呼ばれる健康ドリンクというではないですか。キノコ=椎茸を数時間煮たイメージが強かっただけに、出汁の味がするんじゃないかと思っていたら……麦茶のように香ばしく、メープル風味でとてもおいしい!

このお茶の元となるキノコの塊(原体)をお土産にいただき、早速チャーガティーについて調べてみました。今回のコラムでは、カナダでチャーガを栽培しているChaga.caのジョナサンさんからもお話を聞かせていただいたので、それをもとにチャーガについて紹介したいと思います。

ジョナサンさんのチャーガは、ケベック州の空気の綺麗な森で栽培されている。

  • チャーガとは

白樺にできる薬効キノコで、ロシア語で「チャガ」、日本語では「カバノアナタケ」「霊芝」と呼ばれています。厳寒に生息し、カナダやアメリカ北部、ロシア、韓国、北・東ヨーロッパ、日本では北海道で採れるようです。ロシアでは家庭薬として、日本でもアイヌ民族が使っていたという記録が残っています。このキノコが育つのに、3−10年。白樺の樹液を養分にして育ち、最後には白樺自体を枯らしてしまうほどの強い生命力が宿る珍しいキノコだけに「幻のきのこ」「森のダイアモンド」「ハーブの王様」という名でも知られています。

チャーガの原体

  • チャーガの効果

チャーガには多岐にわたる病気予防・治療効果(がん注3、心疾患、糖尿病など。詳細はウィキペディアを参照に)があると言われていますが、これらはマウスを使った研究にもとづいたものであり、臨床試験はまだ報告されていないようです。

それを前提に、私が興味深いなと思った研究報告の一つが、日本未病システム学会誌注4に掲載されているチャーガのアレルギー疾患の予防と改善作用についてです。今の時期、私と小学生の息子は、花粉症に悩まされるので、早速チャーガを飲んでその効果を試しています。

 

またジョナサンさんによると、チャーガには215種類ものファイトケミカルが含まれているとのことでした。ファイトケミカルといえば、3月号のVeggyで紹介された「第七の栄養素」ですね。私もveggyの編集後記を読んで初めて知ったのですが、ファイトケミカルは、植物性の食材からしか摂取できない栄養素で、強い抗酸化作用や抗菌作用を有するものが多いとのことです。美容や免疫力の維持には欠かせないというので、アレルギー対策兼美しくなるために、これは飲み続けていかなければ!と思っています。

炊飯器でチャーガを煮出す。

  • 作り方

チャーガの塊を鍋に入れてゆっくり煮出す方法が人気ですが、キャロライン さんから、炊飯器の保温で一晩かけてゆっくり煮出すのがお勧めだと教わり、両方試してみました。炊飯器を使った方が甘味のあるまろやかな味がし、しかもボタンを押すだけで簡単にできてしまうので、こちらの方法が気に入っています。

またチャーガの塊は、色が出なくなるまで何度も使えます。私の場合は、16gの塊から、炊飯器いっぱい(6カップ)のチャーガティーを4、5回作りました。回数をこなすたびに、包丁で原体を細かく砕いて炊飯器に入れましたよ。原体を砕く際には、メープルシロップのような黒砂糖のような、甘くて香ばしい匂いがしたのが印象深かったです。

チャーガの原体を砕くと、甘くて香ばしい匂いがしたのが印象深い。

  • チャーガティーの美味しい飲み方

ストレートでチャーガティーを楽しむのも良いですが、ジョナサンさんは「メープルシロップを入れて飲むのがおすすめ」だと話してくれました。キャロラインさんの「カナダを旅するビーガンレシピ」には、ホット・チャーガ・モカの作り方も掲載されています。

読者の皆さんは、チャーガティー、もうお試しになりましたか?

免疫細胞は寝ている間に作られるため、免疫活性作用のあるチャーガは寝る前に飲むのが理想的だそう。

参照

https://chaga.ca/ ジョナサンさんのチャーガ会社

https://ja.wikipedia.org/wiki/チャーガ

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27441282 昭和大学の研究グループによる腫瘍抑制効果の報告

https://www.jstage.jst.go.jp/article/mibyou1998/8/1/8_1_46/_pdf/-char/ja 日本未病システム学会誌から「チ ャガ(シ ベ リア霊 芝)の 癌細 胞 抑 制 と ヒス タ ミン遊 離 抑 制作 用 につ い て」

https://www.youtube.com/watch?v=WAj1411HXHI&t=155s  (veggy Books石井キャロラインさん )

 

小倉マコ(ペンネーム)

兵庫県姫路市生まれ、カナダのオタワ在住。フリーランスライター(コミックエッセイの原作、P R、新聞記事、コラム)をしながら、アートスクールで絵の勉強もしています。主な著書『日本びいきのハーフっ子と里帰り』(イーストプレス)『姑は外国人』(角川書店)

Instagram:@mako_artspace

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