16歳の私がプラントベースを選ぶ理由 Vol.2

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コロナでのロックダウンを利用し、今まで時間に余裕がなくて取り組めなかったことがしたいと思い、まずは大好きだった料理を再開しました。すると朝、昼、晩、とキッチンに立つようになり、少しの手間暇をかける事で出来上がる美味しい料理たちに、私はすっかり魅了されていたのです。

ココナッツボウルで食べる野菜のオーブン焼きは格別!

そしてある日気が付いたのです。私は自然と、肉や魚を使わないベジタリアン料理を作り続け、動物性食材を口にしないまま数週間が経っていました。さて、つい数ヶ月前までお店でステーキを注文していた私に一体何がおきていたのでしょう?

一つ気が付いたのは、どこか自分の中に、肉を調理することに対し抵抗があるということでした。

ちょうどロックダウンの一ヶ月程前、春休みに訪れたギリシャの市場の屠殺コーナーで家族とはぐれたことがあり、そこで生まれて初めて「食肉用」の動物達が切り刻まれていくのを目の当たりにしました。その経験から痛い程気づかされたことは、自分はお肉を食べる際、動物の命をいただいていると意識してこなかったという事実でした。

機械や刃物によって効率的に切り刻まれ、ラップと発泡スチロールに巻かれてスーパーの冷蔵ケースに並んでいる食肉を見ると、自分と同じようについ最近まで生きていた動物だということを忘れてしまいませんか?

私は目の前で動物の生首が並べられている様子を見て、今まで感じなかったような罪悪感や恥ずかしさ、怒りを感じました。「お肉を食べる」とは、動物の命をいただくという事なのに、自分はそのことに対して全く無意識で生きてきた。また、「生」でグロテスクなイメージを排除して、リアリティーを隠蔽している、世の中の食肉産業に対して初めて疑問をおぼえたのでした。

ビーツを使った特製ピンクフムス、色を見るだけでテンションが上がります!

WHO(世界保健機関)も発癌性があると指摘している加工肉を始め、私たちが本当に知るべき情報がたくさんあるのに、なぜ消費者は食肉業界の広告を鵜呑みにし、当然のように肉を食べ続けないといけないのか。もっとはっきり言えば、リアリティーを覆い隠すことにより、人々が食生活に疑問を抱かないように仕向けている、そのように私は感じ「食肉業界に操られたままでいいのか」と考えるようになりました。

同時に、「自分は肉を食べるのに値しないかもしれない」とも感じました。ロックダウン中に自分が作った料理には、どれも肉が含まれておらず、全く無理をせずにミートフリーな生活が送れていると気づいた時、自分と等しい「動物の命」として心から感謝して頂けるようにまでは、意識して食肉を休もうと決めました。

するとどうでしょう。毎日少しずつ身体に良い変化が見られるようになったのです。まず何よりも、目覚めが良くなりました。朝になると決まった時間に目が覚め、体内時計が正確になりました。朝目覚めてから夜眠るまで、健全な生活リズムが掴めると、以前よりも心が軽い状態で物事に挑めます。また、菜食がデトックスしてくれたのか、悩みであった肌荒れやくすみも改善し気にならなくなりました。さらに、身をもって感じられたのが免疫力の向上です。プラントベースを始めたら、体調を崩すことが圧倒的に少なくなったのでした。

また、食べることへの感謝の気持ちも倍増し、食の大切さを痛感しました。当然のことですが、食べることは生きることなのだと心から思えるのです。菜食をきっかけに生まれた小さな意識の変化が、肉体、精神ともに健康にしてくれるサイクルを人生に呼び込んでくれたのです。

 

私の中に起きた数ある変化の中で、あと一つお話しするとすれば、それはやはり社会の一員としての責任感の向上です。それまでは自分にとってリアリティーがなかった気候変動や環境問題も、自分がプラントベースを選ぶことで、一ヶ月で森林約84平方メートル、二酸化炭素約273キロ節約できていると知ると、一人の女子高生という小さな存在でも地球に確実な貢献ができていることを実感できます。そのため食以外でも、「プラスチックフリーの商品を使おう」とか、「動物実験を行っていない化粧品を買おう」など、ライフスタイル全般において、エシカルな選択をするようになりました。

 

パリのヴィーガン・エシカルコンセプトストア「Aujourd’hui Demain」の化粧品コーナー

 

私がベジタリアン、そして後にヴィーガンになってから、身近な人でプラントベースを選ぶ人が10名ほど増えました。ここまで自分に影響力があると知った時、自己肯定感が上がったとともに、年齢に関係なく自分の選択に責任を持たなくてはならないと痛感しました。

一言で「プラントベース」と言っても、ストイックな方から、フレキシタリアンのように適度に取り入れている方もいて、プラントベースを選ぶようになったきっかけもそれぞれ大きく違います。そのため、同じ菜食主義者の間でも意見のすれ違いがあるのだと、このコミュニティの一部になってから感じるようになりました。しかし、一高校生として私は単純に、より多くの人にプラントベースのメリットを知ってもらいたいのです。幸いなことに、私の両親は娘の選択を深く理解してくれています。多くの高校生が同じようにうまくいかないかもしれないですが、状況の許す方はまず気軽に初めてみてください。

 

文・写真/木村さら
フランス・パリ在住の高校生。プラントベースなライフスタイルを実践し、健康面・メンタル面ともに改善したことをきっかけに、SNSなどで積極的に情報発信を行なっている。

Instagram      @kimurasara

Links

 

参考:

https://www.france-ecotours.com/en/blog/vegan-in-france.html

https://www.who.int/news-room/q-a-detail/cancer-carcinogenicity-of-the-consumption-of-red-meat-and-processed-meat

 

 

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