こんにちは、ヨーロッパのヴィーガン文化の首都と呼ばれているドイツはベルリン在住・イラストレーターのKiKiです◎
友人を訪ねたり、アートイベントのために近隣諸国を訪れることも多いこの夏。『旅のついでに、その国のベジタリアン・ヴィーガンレストランにも寄ってみよう!』と思いついた企画、『世界のヴィーガン放浪記』。第2回目は、ベルリンから飛行機で2時間半ほどの距離。北欧・バルト三国の一つ、エストニア・タリンでの旅をお届けしたいと思います!
北欧・バルト三国の一つエストニア・タリン
ユネスコ世界遺産に登録されているタリン旧市街
エストニアの首都・タリン。公用語はエストニア語ですが、街の人に話しかけるとほとんどの方が英語で返してくれました。
聞きなれない・見慣れないエストニア語ですが、街で見かける言葉を見ていると、時々『ん?ドイツ語?』と見間違えることがあるくらい、似た単語を見つけることができました。
例えばドイツ語で芸術は『Kunst』というのですが、エストニア語も『Kunst』。薬局はドイツ語で『Apotheke』、エストニア語はちょっと似ている『Apteek』。ヨーロッパの言語は親戚同士だから、文法だったり似ている部分が多いというのはベルリンに3年ほど住んで、ヨーロッパの他の国の人と話すたびに実感していますが、それにしても似ているところが多くて気になり、エストニア人の方に聞いてみました。
『エストニアは昔、ドイツに占領されていた歴史があるんだ。だから、ところどころにドイツ語のようなものが残ってるんだよ。食べ物も、ドイツ料理に似たものが多いね。おじいちゃん・おばあちゃんの世代では、ドイツ語を話す人もいるよ。他にも歴史的背景から、ロシア語しか話せない年配の方たちもいるんだ』
エストニアは昨年の2018年に、1918年2月24日の独立宣言から100周年を迎えました。
街はのどかで、平和そのもの。エストニア人は静かで、シャイで、お礼の後の笑顔が素朴だけれども暖かい、とても親切な人たちでした。国も人も、たくさん大変なことを乗り越えた経験がある方が、暖かくて、優しい気がします。4日間滞在して、大好きな国の1つになりました。
さて、そんな心暖かい国・エストニアはタリンで出会った、ヴィーガンフードをご紹介しますね◎
『Vegan Inspiratsioon』
旧市街地を散策してみると、かなり『Vegan』という言葉を見つけることができました。どのお店に入ろうかな…と悩んでいると、『Vegan Inspiratsioon』の文字が目に止まりました。
『Inspiratsioon』はエストニア語ですが、雰囲気から察するにきっと『Inspiration(インスピレーション)』と言う意味なのでは…?と早速翻訳アプリで調べると、ビンゴ!前回のブリュッセル編もそうでしたが、名前からして素敵なお料理が出てきそうな予感…!
店内に入ると、内装も素敵で、落ち着いた雰囲気。すでにたくさんのお客さんで賑わっていました。若い男性グループ・カップル・友達同士でワイワイしている人など、客層も様々。
店員のお姉さんに、エストニアのヴィーガン事情について聞いてみると『エストニアでは、とても日常的な文化よ。多くの人が環境や健康について考えて、食事を選んでいるわ』とのこと。
店内にはヴィーガンの雑誌と、こどもたち用の塗り絵も。
『CREATE THE WORLD YOU WANT TO LIVE IN. (あなたが住みたいと思う世界をつくろう!)』なんて、すてきな塗り絵!
そして、本当にたくさんあるメニューの中から迷って選んで注文したお料理は、こちら◎
実は、タリン空港についてすぐになぜか発熱してしまったので(手持ちの薬を飲んだら熱は下がりましたが…)、栄養をとらなくちゃと、とにかく野菜たっぷりでボリューミーなものをチョイスしてみました。
特製ソースとチェダーチーズソースに絡まって、本当に美味しかったです。特に、紫花豆とひよこ豆が中にぎっしり詰まっていて、お腹がとても満たされました。ヴィーガン料理は、お肉の代わりに豆を多く使うことが多いのですが、ヴィーガン料理を食べ始めてお豆の美味しさに気づきました。
美味しいごはんで満たされて、ハッピーになりながら店内をもう一度散策してみると壁にペインティングしている女の子を発見!彼女、Maari Soekovはタリン在住のアーティストで、今日と明日でこの壁画を完成させるのだそう。残念ながら完成した実物は見ることができませんでしたが、彼女のinstagramで見ることができるので、ぜひ。見ていてとても元気がもらえるパワフルなイラストです。
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『Vegan Inspiratsioon』
Address : Pagari 1/Lai 44, Tallinn
URL:https://veganinspiratsioon.ee/
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『Karu talu šokolaad』
さて、今回はもう1件訪れてみました。壁画のアーティスト・Maariにおすすめよ!と教えてもらった『ヴィーガンチョコレート』のお店です。
店内には、まるでアート作品のようなチョコレートがずらり。ひとかけらの大きさは、ケーキ1ピースくらいで結構ボリューミー。すべてグルテンフリー、ミルクフリー、そしてハンドメイド。
悩みに悩んで、わたしが選んだものはこちら◎
王道のいちごを選んでみました。とても大きなピースですが、甘さ控えめで食べ進めてもしつこくない、とても優しい味でした。上に乗っているドライストロベリーも、チョコレートととてもマッチしています。店員のお兄さんに『あなたもヴィーガンなの?』と聞いてみると、『僕の両親がずっと動物愛護家で、生まれたときから動物は食べたことがないんだ。だから26年間ヴィーガン生活を送っているよ』とのこと!とても笑顔が優しいお兄さんでした。
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『Karu talu šokolaad』
Address : Voorimehe 4 80032 Tallinn, Estonia
URL:https://www.facebook.com/karutalu.chocolate
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様々な考えや意思を持って、ヴィーガン料理を選んでいる人たちが多いということが改めてこの旅でわかりました。強制するわけではありませんが、日本でもヴィーガン料理を選択できる環境が普及したら、また少し世界の味方も変わってくるかも知れません。
さて、わたしはベルギーとエストニアの旅を終えてベルリンでの生活に戻っています。次回は、ベルリンの大好きなヴィーガンカフェをご紹介しますね◎
西伊豆の小さな限界集落出身。交通機関もない、1番近いお店まで車で1時間。とにかく大自然しかない小さな集落で、紙とペンと空想で無限大に遊べることが、この上ない娯楽で贅沢でした。
2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業。その後、同大学マンガ学科研究室にて副手を3年間務めながらイラストレーターとしての仕事を少しずつ増やしていき、2015年からフリーランスに。居場所を探して旅するように生きていたらベルリンに辿り着き、2016年の夏から移住。
例えば、私のように小さい集落で暮らしている子が、そこから旅立つ時期を迎えたときに、『世界はこんなにも広くて、こんなにも選択肢があるんだ』って気づけるようなものを残していけたら、最高だなと思いながら絵と文章をかいています。
Portfolio site : http://kiyonosaito.com/
instagram : https://www.instagram.com/kikiiiiiiy/