ワインのおともやフォカッチャのトッピングなどでよく食べられているオリーブですが、実は栄養豊富でどんな料理にも合わせやすい万能食材。カリフォルニア産完熟オリーブの豊かな味わいは、これまでのオリーブのイメージをガラッと変えてくれるはず。
受け継がれる伝統製法が美味しさの秘密
オリーブ特有のツンとしたクセがなく、味わいはクリーミーでマイルド。洋食はもちろん和食などあらゆる料理との相性が良いことから、いま注目を集めているのが「カリフォルニアライプオリーブ」。ライプ(Ripe=完熟した状態)の名の通り、カリフォルニアの温暖な気候と肥沃な土壌で育まれた完熟オリーブは、少し歯ごたえのあるみずみずしい食感とまるでバターのようなコクが特長で、抗酸化力の高いポリフェノールをはじめとする様々な栄養素を豊富に含みます。
オリーブの実の収穫は9〜11月頃にかけて行われます
オリーブが苦手な人でも食べやすいと評判のその美味しさの秘密は独自の製法にあります。日本でも一般的に流通しているヨーロッパ産のものは通常、生のオリーブが持つ強い苦味を抜くために塩水に数ヶ月浸す発酵工程が必要とされますが、カリフォルニアライプオリーブはこの工程を行わず、あく抜きの液体に浸すことで苦味を取り除き冷水で洗浄します。その後、新鮮な空気にさらすことで自然と光沢のある深い黒色のオリーブが出来上がるのです。
フレダ・エーマンさん
この独自の製法が生まれたのは19世紀。ドイツからカリフォルニアに移住しオリーブ農園を営んでいたフレダ・エーマンさんが、オイル以外のオリーブの活用法を模索していたときに自宅の樽を使ってオリーブの渋みを抜くことに成功したのがきっかけでした。現在は大小様々な家族経営の農園で、厳格な基準のもと人の手で丁寧に栽培・収穫されているカリフォルニアライプオリーブ。ずっと変わらない製法で完熟の美味しさを最大限に引き出しています。日本ではまだまだ馴染みの少ない食材ではありますが、クセがないカリフォルニアライプオリーブだからこそできるレシピもたくさん。栄養価の高いオリーブをもっと食卓に取り入れてみましょう。
カリフォルニアのオリーブ農業を支える家族経営の農家さんたち
カリフォルニアライプオリーブには美容や健康に役立つ栄養素がぎっしり
小さい実の中に豊富な栄養素がぎっしり。カリフォルニアの太陽を浴びて育ったオリーブを日常に取り入れると、毎日の食事から美容や健康をサポートしてくれます。
ポリフェノール
肌のシミやシワをはじめ、あらゆる炎症や疾患の原因となる活性酸素を除去するだけでなく、脂肪の吸収を抑えてくれるファイトケミカルの一種。
ビタミンA
健康的な肌や髪、また視力を保つのに重要な役割を担うビタミンA。特に目や皮膚の粘膜を健康に保ってくれる働きがあるため免疫力の向上に欠かせません。
ビタミンE
強い抗酸化・抗炎症力を持ち、肌のシミやシワ、肌荒れなどの原因となる酸化を防いでくれる通称“若返りのビタミン”。1食分のオリーブには0.25mgのビタミンEが含まれます。
食物繊維
食べ物が消化器官内をスムーズに移動する手助けをし便通を改善。さらに善玉菌の餌になるため腸内環境を改善する効果も。オリーブを数粒口にするだけで、約0.5gの食物繊維が摂取できます。
鉄
赤血球のヘモグロビンの構成成分となり、酸素を全身に運ぶ重要な働きのある鉄。不足すると成人女性の25%が発症するといわれる「鉄欠乏症貧血」が起こるため特に女性は意識して摂りたい成分です。
環境にも配慮したカリフォルニアオリーブの農園
栽培に多量の水を必要としないため、もともと雨の少ないカリフォルニアでの栽培にも適しているオリーブですが、オリーブメーカーはさらなる水資源の節約に取り組んでいます。まず、オリーブメーカーが使用する水は100%敷地内で再利用し、河川や海への排水は一切行われません。また土壌に塩分が蓄積することで植物の生育を妨げられたり、土壌侵食が起きるのを防ぐために、土壌に含まれる塩分を水とともに取り込み大気中へと放出する働きのある「NyPa」という草を栽培。この草は栽培後、家畜の飼料として利用されます。カリフォルニアの豊かな土壌を守りながら廃棄物も出さない、循環型の取り組みも進めています。
クセのないカリフォルニアオリーブはいろんなレシピで大活躍!
カリフォルニアオリーブタプナード
材料
カリフォルニアオリーブ ブラック・グリーン 各1缶(170g)
ケッパー 大さじ2
セミドライトマト 大さじ2
にんにく 1個
ドライオレガノ 小さじ1
パセリ 大さじ4
バジル 大さじ1
レモン果汁 大さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩・黒胡椒 適量
作り方
①フードプロセッサーに、オリーブ、ケッパー、トマト、にんにく、オレガノ、パセリ、バジル、レモン果汁、オリーブオイル、塩・黒胡椒を入れる。
②みじん切り程度になるように撹拌し、完成。
※お好みで、クラッカーや、トーストしたバケットに乗せて、お楽しみ下さい。
カリフォルニアライプオリーブを使ったレシピをもっと知りたい方はこちらから
本記事に関するお問い合わせ先:カリフォルニアオリーブ協会
Tel:03-3584-7019 HP:californiaolive.jp
※本記事は雑誌『veggy vol.91 一汁一菜』に掲載されたものになります。
文/西田宏次朗 イラスト/Florence Wong