2019年2月17日に発表したバーバリーの秋冬コレクション「テンペスト」に出演し、左右のフードの紐が1本にまとめられ、まるで「首吊り輪」のようにあしらわれていたデザインに関して問題提議したことで話題となった、モデルのリズ・ケネディ。賛否両論ある中、ネットやテレビのニュースではコレクションにまつわる事実報道しかされていません。彼女が一体どんなライフスタイルを送っていて、どんな女性であり、なぜこのような状況になったのか? その一連がわかるような情報はどの海外のニュースを探しても出てきませんでした。
私は彼女のことを早朝のニュースで知りましたが、ニュースではバーバリーの例のデザインの映像ばかりが一人歩きしていて、違和感を感じました。と同時に、私はなぜか彼女がベジタリアンのような気がして、どんな女性なのか気になってすぐに彼女のインスタをチェックしたのです。しばらくすると、ヨガのティーチャートレーニング(TTC)最中でのディナーの様子が映像で流れてきました。なんだか聞き覚えのある笑い声が映像から聞こえるな〜と思って眺めていると、なんと雑誌veggyで長年連載してくれている、バリ島ウブド在住のローフード・シェフの田中さゆり(Sayuri)さんだったのです。
そんな不思議な流れで、私が彼女にインタビューするまでに時間はかかりませんでした。前置きが長くなりましたが、ここからは彼女のライフスタイルや想いをお伝えします。
Profile
Liz Kennedy(リズ・ケネディ)
アメリカ出身のモデル。
ヨガのTTCに参加し、食事はプラントベースが中心。
Q1.ローフードシェフのさゆりさんが参加していたヨガのTTCに一緒に参加していたそうですが、いかがでしたか?
Liz:ヨガのTTCは、とてもパワフルで素晴らしかったわ。私はすでにマインドフルやスピリチュアルにフォーカスした生活を送っていたの。でも今回参加したことで、自分自身をより内観することができて、前よりも生きるべき意味や自分のやるべきことなどが明確になった気がするわ。きっとその経験が、今回のバーバーリー・コレクションに問題提議することを後押ししてくれたような気がするわ。
Q2.取り入れている食事や健康法などがあれば教えてください。
Liz:普段の私の食事についてですが、まずコーヒーは一切飲まないの。あとは特にグルテンフリーではないけれど、100%完全菜食主義者であることに今は取り組んでいるわ。そしてスキンケアなどの美容面では、100%自然な製品だけを使っているの。いつも自宅では、エッセンシャルオイルを使用して、オリジナルの美容トリートメントを作ったりもするわ。さらに私の大好きなスピリチュアリティと美しさを高めるための儀式は、お湯を張ったバスタブに、幾つかのクリスタル(パワーストーン)、エプソム・ソルト、エッセンシャルオイルを入れて、穏やかな光を灯すキャンドルを周りに置いて、ゆっくり浸ること。これは私のエネルギーをとってもにきれいにしてくれるのよ。
*パワーストーン(クリスタル):古代から様々な国の先住民たちが、色んな形で取り入れてきた石のパワー。現在あらゆる種類のストーン・ヒーリングが注目されています。
*エプソムソルト:雑誌「veggy(ベジィ)」でも、デトックスしたい時にオススメしている入浴アイテム。15世紀~16世紀にイギリスのエプソムという場所で発見され、塩の結晶に似ていたことから名付けられる。体内に不足しがちなミネラル成分のマグネシウムをお風呂に浸かることでしっかり皮膚から吸収できるということから、世界中で人気が高まっている。
Q3.あなたにとって健康や美容とはどういうものですか?
Liz:私にとって健康と美しさは、病気ではなく、発疹もなく、そして怪我もないという状態ね。そして精神的に健康であることも、肉体の健康に関連していると感じるわ。自分自身に正直に生きていて、さらに自分に対して健全でいられるのが、私の考える健康な人かしら。
Q4.モデルとして、あるいは個人として、今後伝えていきたいことがあれば教えてください。
Liz:自分のモデルというプラットフォームを使って、精神的な健康に関することをより拡げていきたいと思ってるわ。一般的に私たちはスピリチュアルな教育を学校でほとんど受けていないし、そういったことは時にはネガティブにも捉えられがちでしょ? 私にとってはココロやマインドといった精神的健康は、身体的健康と変わらないの。いつになるかわからないけれど、今の私ができることを続けながら、ゆくゆくは精神的健康の意識や気づきにまつわるようなことをしたいと思ってるの。
Q5.今回のバーバリーの一件で、一番感じたことは何でしたか?
Liz:バーバリーとの間でこのような状況になり、私はとにかくとっても動揺したわ。結び目が縄に似ているというパーカーのデザインに関してはもちろんだけれど、もっとも驚いたのは、私がそのことについて問題提議した際の、ブランド側の反応ね。私はデザイナーに直接話すことができないかコレクションの会場内で伝えたけれど、その時バーバリーの担当だった女性からは「それは全てファッションですから」という言葉が返ってくるだけ。私は納得がいかず、その後、さらに会場のドレッサー(ショー内でモデルの衣装や備品を変えるのを手伝ってくれる人たち)とも話をしたわ。そのパーカーのデザインがどのように人々の特定な感情を引き起こすのか、そしてさらにそれがそのブランドにとって、いかにネガティブなイメージやメッセージを発信することに繋がるのかということなど、その時に私が感じたことを全て伝えたのよ。でも彼らは一様に、肩をすくめて私を見るだけ。私の意見がその会場内でことごとく無視されている中、私はその場所で全く同じ人間として扱われていないような気がしたわ。なぜならコレクション会場内では「ファッションだ」という理由だけで、デザイナーやブランド側が自分の望むことならば何でもできるのだから。「それはファッションだ」と言う事はとても簡単だけれど、それが他の誰かの非常に深刻な懸念や問題を無視することのいい訳にはならないと私は思うの。バーバリーは今回の件に関して少し謝罪したけれど、行動は言葉よりも雄弁だと思うわ。
彼らが自分たちのブランドのプラットフォームにおいて、今回の件の根本の原因に彼ら自身がしっかり気づき、それに対してちゃんとサポートしていく方法を彼ら自身の中に見つけられることを願っているわ。
リズのインスタグラムはこちらから↓↓
今回、快く取材を受けてくれた世界一勇敢なモデルのリズに心から感謝します。
そしていつも輝いている人々を繋いでくれるSayuriにも感謝の気持ちでいっぱいです。
Peace Love veggy !
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Interviewer & Text
吉良さおり/Saori Kira
雑誌「veggy(ベジィ)」発行人・編集長
一般社団法人国際食学協会名誉理事長
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