オイルで心地よく歯を綺麗に

グーテンターク! ドイツ在住のライター、金 明希(きむ みょんひ)です。

お恥ずかしい話ではありますが、以前仕事のストレスで歯がボロボロになったことがあります。とにかく、いくら歯を磨いても、間食を減らしても、虫歯ができる。正確に言うと、虫歯が“でき続ける”。当時は、歯医者の予約日程が書かれた手帳を見るたびに、「私は一生歯のトラブルを抱えて生きていくのか」とため息をついていました。

 

オイルうがいとは?

間食を減らす、歯を磨くといった現状維持ではおそらく限界がある。そう感じた私が、藁をもつかむ思いで始めたのがオイルプリングでした。プリングとは、英語で「引き出すこと」。オイルうがい、とも表現されるこのメソッドは、3500年の歴史を持つインドの伝統医療「アーユルヴェーダ」で生まれ、オイルを口に入れ、くちゅくちゅと口を動かすことで、歯と歯の間に挟まった細菌も引き出し、さらに「引き出す」までの過程で歯茎も引き締める方法のこと。元々口は、体内で最も細菌が多いと言われている場所で、その脂溶性の細菌を同じ油で取り除く仕組みです。オイルうがいには、生のココナッツオイルが使えると聞いたので、まずスーパーでココナッツオイルを購入し、試してみました。

 

<私が行ったやり方>

  • オイル小さじ1くらいを口の中に入れ、くちゅくちゅと口を動かす
  • 20分ほど経ったら、ティッシュなどにオイルを吐き出し、捨てる。
  • 最後に、水で普通のうがいをする。

 

※写真はココナッツオイルではなく、後半に紹介する別のオイルです。

 

いざオイルを口に入れると、正直「慣れない、変な感じ」がしました。オイル単体を口に入れる経験は皆無なので、ある意味当然です(パートナーにも試してもらったところ、やはり「変な感じ」と言って顔をしかめました)。ですが、時間が経つと、オイルが乳化してさらさらとした水のようになり、全く気にならなくなりました。

 

一日の中で、一番口腔内の殺菌が増える時間は就寝中。ということで、朝一番にオイルを口に入れ、洗顔をし、着替え、朝の支度をする。そして丁度20分くらい経ったころにオイルを吐き出す、という生活をしばらく続けてみました。

 

 

実際に続けてみた

オイルでうがい? それって健康効果はあるの? という意見もございましょう。

 

まず、「オイル」を口にした瞬間は“変な”感じではあるのですが、ティッシュに捨てる際に口の中の不要な成分も外に吐き出されるので、最高の爽快感を感じるようになりました。何より起き抜けで行うので、目覚めが良い。

 

そして……(食事中の方には一旦読むのを中断していただきたいのですが)、時として歯ブラシで取り切れなかった汚れもオイルうがいで取れることがあり、正直驚きました。しかも、目に見える大きさの、です。オイルの性質を利用するとはこういう意味なのかと腑に落ちたのはこの時でした。この方法が、何百年も、何千年も昔に発明されたなんて……さすが、数字のゼロの概念が生まれた国インド! と思わず大興奮。

 

また、必然的に顔の筋肉をふんだんに使うことも新鮮でした。サッカー選手は、足の筋肉をよく使い、バレーボール選手は、腕の筋肉を主に使いますが、顔の筋肉を使う機会って、そもそも日常生活であまり無いのでは?(勝手なイメージですが、演劇をしている人が、表情トレーニングをする時くらいでしょうか? )口周りの筋肉を使ったな、と感じたことも人生初でした。

 

結果としては、歯茎が引き締まって丈夫になり、虫歯が無くなりました。その時通っていた歯医者さんが「あ、歯茎が丈夫になってる! 」と驚いたのを覚えています。

 

更に続けてみた

当時利用したのはココナッツオイル。ただ個人的にココナッツオイルの香りは苦手だったので、顔の筋肉や脳はすっきりしているのに、あまり鼻は喜んでいないという(!)、総合的に気持ち良いのか、自分でもよく分からないというのが本音でした。

 

 

今度は別のオイルで歯をきれいに保ちたい。そう考え、ドイツ現地のオーガニックスーパーで探してみたところ、オーガニックスーパーでうがい用のオイルをいくつか見つけることができました。少しずつ認知度があがっているのか、今はミントの香り、ハーブの香り、柑橘系の香り、と香りも選べるのですね。早速自宅でいくつか試してみたところ、特にBIO PLANET(ビオ プラネット)社のFresh & Fruity Ölziehmixtur(フレッシュ&フルーティー オイルプリング)が気に入りました。

https://www.bioplanete.de/fresh-fruity-oelziehmixtur

 

 

原料はヒマワリ油、ごま油、柑橘油、ペパーミント油、しょうが油、ターメリック(うこん)油、スペアミント油。なお、ターメリックは成分として含まれていますが、着色することはありません。妊婦にも授乳中の女性でも使用可能です。

 

紛れもなく、今まで行ってきたオイルうがいで格別の気持ちよさ。何よりオイルが軽い口当たりで、自分の口からほのかに香る、柑橘系の気持ちよいこと! 「他のオイルではオイルプリングはできなかったけど、これはやりやすい」という口コミも、頷けます。

 

まとめ

正直、このオイルうがいが全ての解決策になるとは思いません。私自身が今歯のトラブルが無く、歯茎が比較的丈夫になったのもこのオイルプリングだけではなく、定期的にミネラルを摂取し、デンタルフロスを欠かさないといった「小さな習慣」も取り入れているからでしょう。

 

ただ、口内環境が確実に良くなっているのを感じられるのが嬉しい限り。オイルを出し、最後にゆすいだ時の「爽快感」に夢中になっている感覚です。また、毎日がんばってオイルで磨く! と意気込んだというよりは、「着替える」といった日常生活の一部に落とし込んだことで習慣化され、日々土台が整えられている感じがします。

 

日本では、まだまだ市民権を得られていないオイルうがい。最近一時帰国した際は、家族にお土産にこのうがい用のオイルを持って帰りましたが、考えてみれば、ものづくり大国の日本でオイルうがい用のオイルがあまり市場に出ていないことほど、もったいない事はありません。少しずつ認知されてきた「マウスウォッシュ」と同様に、色々な香りや使用感を選べるくらい、オイルうがいが日本で健康の文化として根付きますように……そう願って、今日もドイツで元気にオイルうがいをしています。

 


ライター/金 明希 (きむ みょんひ)
東京生まれ。現在ドイツ在住。ダンス、旅、読書、映画が好き。
Instagram @mion_91k

 

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