こんにちは、べジィ編集部です。ドイツに在住のイラストレーター・KiKiさんに、ドイツのパワースポットについて書いていただきました。
樹齢約900年のベルリン最古といわれる巨木、
『太っちょマリー』
KiKi
こんにちは、イラストレーターのKiKiです。
太陽の光が見える日が、だんだん増えてきました。ドイツ・ベルリンにお引越しをしてから3回目の春が、もうすぐやってくる気配を感じています。
ベルリンが好きで長く滞在している理由は、2つ。大好きなアートが守られて生きている街だということ。そして、自然との共存を大切にしていること。
『自然の共存を大切にしている』というより、それが『当たり前として日常に溶け込んでいる感覚』、の方が表現があっているかも知れません。
日々のストレスや疲れは、自然と共に過ごすことによって癒され、解消されることを、ドイツの人たちは本当によく知っているなと感じます。
お天気の良い週末の公園は、寝転んで本を読んだり、ピクニックしながら友人とゆっくりお話をしたり、何もせず、ただぼーっとしている人たちで溢れかえります。冬の日照時間がとても少ないこともあり、太陽の光のありがたさも、よく知っているのです。
実は上のお写真。シャルロッテンブルク宮殿の、広い広いお庭なんです。お城に近い部分は観光客で溢れかえる一方、奥の方のさらに緑濃い場所で、地元の人たちはこんな楽しみ方をしています。笑
ドイツの首都であるベルリン。もちろんオフィス街もあるし、車がたくさん通っている大きな道路もあって、ショッピングモール、お洒落なカフェ、美術館、歴史的建造物など、大都会と観光地の要素は盛りだくさん。でもそれと同じくらい、心地よい間隔で自然にもすぐに逢える街なんです。
そして『自然と共存する』ことの重要さを知っている街の人たちに大切にされている緑たちは、なんだか特別あたたかいパワーをもらえる気がするのです。
そこで、ベルリンで見つけた『自然パワースポット』をぜひ皆さんにご紹介していきたいと考えました!今回は私が一番大好きで、暖かくなったらよく逢いに行く”彼女”について、お話しますね。
樹齢約800〜900年のベルリン最古といわれる巨木、『太っちょマリー』。
彼女は、ベルリンの西側にあるとても美しい湖『テーゲル湖』の隣にある森に住んでます。
地下鉄U6に乗り、Alt-Tegel駅を下車。テーゲル湖へ向かいます。湖沿いの散歩道をのんびり歩いていくこと30分。少し森側に近付く道があります。そこの奥に、彼女は静かに立っています。
彼女の名前は、『太っちょマリー(Die Dicke Marie)』。
ベルリン最古の木で、樹齢は推定900〜800年。そう、ベルリンの街の歴史より古いのです!直径6.65メートル・高さ26メートルの絵本に出てきそうな、大きな、大きなナラの木。
度重なる戦火を逃れ、ずっとこの地でみんなのことを見守ってきました。そんな彼女は天然記念物に指定され、街の人たちに愛され続けています。
もう少し近づいて見てみましょう。
下から見上げたとき、彼女の幹越しに見える青空と太陽の光がキラキラしていて、とてもすてき。
彼女の名前『太っちょマリー』の由来には、こんな昔話があります。
テーゲル湖の近くにあるテーゲル城で育ったフンボルト兄弟は、森へ冒険に出かけることが大好きでした。ある日、その冒険の途中で巨大なナラの木に出逢います。
彼らはその大きさにとても驚き、それと同時に彼らの大きな料理人『マリー』のことを思い出しました。そのことから、多くの人たちが親しみを込めて『太っちょマリー』と呼ぶようになったそうです。きっとふくよかな、笑顔が素敵な料理人だったのではないかなと思います◎
そんな、どっしりと構えた彼女に、手をかざしてみましょう。
彼女のあたたかさが、手のひらから伝わってくるよう。
散歩している人たちは、みんな彼女の前で足を止めます。挨拶をしたり、ハグをしたり、深呼吸をしたり、見つめあったり。前に置いてある長椅子に座って、友人と楽しいおしゃべりを始めたり。彼女と一緒に過ごす空間と時間を楽しむのです。
私も10分間ほど、『太っちょマリー』とハグをして深呼吸。肺が、美味しい緑の匂いで、いっぱいになりました。そして、心は優しい気持ちでいっぱいになりました。
もしベルリンまでこられた際は、ぜひ『太っちょマリー』に会いに行ってみてください。彼女からたくさんのパワーをもらえるはず。
アドレス:An der Malche 113507 Berlin 『Die Dicke Marie』
”自然と共に生きる”魅力にぜひ触れてほしい。
ベルリンでは『太っちょマリー』だけではなく、街のちょっとしたところにも、こんなほっこりするような可愛い木株くんに出逢えたりします。
まだまだ、たくさん紹介していきたい、ベルリンの”自然パワースポット”。お写真と文章からでも、このパワーが伝わりますように。
そして、これを読んでくださったあなたも、ぜひ週末に身近な自然たちに逢いに行って、パワーをもらって来てください。自然に触れること、お休みすること、深呼吸をすること。それは自分らしく生きるために、とても大切なことです◎
Profile
KiKi
西伊豆の小さな村出身。 2012年京都造形芸術大学キャラクターデザイン学科卒業後、同大学マンガ学科副手を3年間務めながら、フリーのイラストレーターとして活動。カラフルな色合いのイラストを得意とし、独自の世界観を描いている。2016年夏より、『オペア留学制度』を利用してドイツ・ベルリンに滞在。2018年夏、アーティストvisaを取得。引き続きベルリンを拠点にイラストレーターと、自身の経験や海外の情報などを発信するライターとしても活動している。
ポートフォリオサイト : http://kiyonosaito.com/ Instagram : @kikiiiiiiy